PRP療法

PRP療法とは

PRP(Platelet-Rich Plasma:多血小板血漿)は、血液を遠心分離して調製した血小板を多く含む血漿です。

血小板の中には、成長因子などの組織修復を促進する生理活性物質が含まれており、それらが損傷部位に直接働きかけて細胞増殖を促進し、修復機能を高め、自然治癒力によってケガや病気を治療するのがPRP療法です。PRP療法は既に細胞の分化が終了して別の組織になることがない血液中の血球成分を培養することなくそのまま使うため、安全性の高い再生治療だと言われています。

海外では、2000年頃からプロスポーツ選手のケガの治療などにPRP療法が使われています。日本でも、整形外科分野の特にスポーツなどによる肘やひざの痛み、腱や筋肉の損傷への治療等で使われており、新しい治療法として注目されています。

不妊治療にPRP療法を応用

国内において、不妊治療の重要度は年々増しています。厚労省の資料(平成30年1月)では、総出生児に対する不妊治療による出生児の割合は約2%(平成18年)から約6%(平成28年)に増加しています。国内においては、不妊治療実施件数は世界一ですが、出生率は低い水準で、その中でも7mm未満の子宮内膜では着床が非常に難しいことが知られております。海外では産婦人科領域における不妊治療にPRP療法が応用されており、国内では山王病院(東京都)を中心に難治性不妊の治療にPRP療法を加える臨床研究が行われました。

本成績を受け、全国どこでも安定したPRP療法を可能にすることをミッションとして産婦人科PRP研究会が発足し、2019年3月より「難治性不妊症におけるPRP治療」が、山王病院でスタートしました。現在、産婦人科PRP研究会に参加する医師を中心に、順次施設の拡大が進んでいます。

不妊治療をお考えの患者様 お問合せ先

PRP治療は再生医療です。実施できる施設は、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」により、厚労省の認可が必要となり、限定された施設でのみ治療が可能です。お近くの医療機関をお探しの際には、産婦人科PRP研究会に参加する医療機関をお訪ねください。

産婦人科PRP研究会

産婦人科での不妊治療における再生医療PRP療法に関する学術研究団体です。